皆さんこんにちは。
この記事は続き物のその③です。よろしければ↓のリンクをご一読願います。
英語学習:ジョージ・オーウェル『1984』その① - 小松菜のブログ
早速、今夜の英文とその翻訳版をチェックします。
Winston made for the stairs. It was no use trying the lift. Even at the best of times it was seldom working, and at present the electric current was cut off during daylight hours. It was part of the economy drive in preparation for Hate Week.
初見の単語は太字で、和訳が難しいと感じた文にはアンダーラインを引いて示してあります。
《翻訳版》
ウィンストンは階段に向かった。エレベーターを使おうとしても無駄なこと。万事これ以上ないほど順調なときでさえ、まともに動くことはめったになかったし、まして今は昼間の電力供給が絶たれている。〈憎悪週間〉を前にした節約キャンペーンの一環だった。
《調べる前に書いた私の翻訳》
ウィンストンはエレベーターを使わずに、階段を登った。( ? )一番良い時間でさえも、最近は日中電器の供給が止められていた。憎悪週間の為の環境準備の一環である。
《本日のまとめ》
文意をなんとなくは理解できているが、定型文の知識や語彙力の不足からのミスが多い。
Winsto made for the stairs. It was no use trying the lift. Even at the best of times it was seldom working, and at present the electric current was cut off during daylight hours. It was part of the economy drive in preparation for Hate Week.
間違えた、よく理解できていなかった文はアンダーラインで示してあります。
それでは、間違えた点を一つづつ確認していきます。
- made for the stairs
‣make for (1)~の方向へ進む、向かう、~に近づく;~を襲う、突く;《俗》~を盗む(2)~に役立つ、~を助長する、〈見解〉を強める
(‣make nothing for ~ ~の役に立たない)
⇒He made for home. / 帰路についた。
⇒She made for[toward] the door. / ドアのほうへ歩いて行った。
⇒The alliance made for peace. / その同盟は平和に寄与した。
- It was no use trying the lift. / エレベーターを使おうとしたが無駄だった。
‣It was no use ~ing / ~しても無駄だった。
⇒I tried several times to start the car, but it was no go(=no good). / 何度か車を動かそうとしたが駄目だった。
‣Rephrasing; Attempting to use the elevator was futile. / I tried to use the elevator but it was no use. / エレベーターを使おうとしたが無駄だった。
- Even at the best of times it was seldom working
‣seldom / adv. まれに(rarely)、あまり[めったに]~しない / opp.(対義語)often
⇒ I seldom see him. / めったに会わない。
⇒ It not seldom happens that ~ / ~ということはよくあることだ。
‣Rephrasing;Even during the best of times, it was rarely operational. / 最も好調な時期であっても、稼働していることはほとんどありませんでした。
- the economy drive in preparation for Hate Week
‣economy / n. 経済、景気、経済システム;経済圏;節約、倹約(frugality)、効率的使用;〔自然界などの〕理法、秩序
⇒ practice〔use〕 economy=make economies / 倹約する、むだを省く
(⇒環境は enviroment)
‣drive / n. 車を駆ること、ドライブ、突進;車道、大通り、道のり;推進力、精力、活力;〔時勢などの〕流れ(drift)、傾向(tendency);たたき売り、投げ売り、〔募金などの〕(組織的な)運動(campaign);〔獲物、敵を〕狩り立てること
⇒ a Red Cross drive / 赤十字募金運動、a blood drive / 献血キャンペーン
‣preparation / n. 準備すること、備え、〔文書などの〕作成、予習、手はず〈for〉;〈心の〉用意、覚悟、ミサの前の祈祷;調製(調理)(法)、製材、調合薬〈for〉
⇒ in preparation for~ / ~の用意に、~に備えて、~の準備ができて
‣該当箇所を全文言い換える(Rephrasing)と、
It was a measure(対策) taken as part of the economic efforts(経済的努力)in preparation for Hate Week. になります。
翻訳版を通して読んだのは随分前なのですが、〝憎悪週間〟という言葉はかなり印象的でした。まだ『1984』の冒頭ですが、段々とこの小説の世界に入りはじめましたね。
翻訳家の方々って本当に凄いんだなぁと毎度毎度実感しております。
この小説は翻訳版も、もちろんとても面白いので、興味のある方は是非読んでみてください。『一九八四年〔新訳版〕(ハヤカワepi文庫)』URL→https://amzn.asia/d/jhdWx0Q
この記事をその⑤まで書いたら、①〜⑤の単語・文のまとめ記事を投稿する予定です。
本日はここまでです。皆さん、良い休日をお過ごしください。
それではまた。
※勉強するにあたって、ハヤカワepi文庫の高橋和久訳『一九八四年〔新訳版〕』とPenguin Random House LCCの『75th ANNIVERSARY 1984』を使用しています。